魂を調律する音霊の書 あべ乃奏縁 著
魂を調律する音霊の書
あべ乃奏縁 著
この世界に響きが生まれる前、すべては沈黙の中にありました。
しかし、沈黙とは「無」ではなく、「全ての可能性を秘めた静寂」。
その静寂の中に、最初の“ひびき”が生まれたとき、宇宙は開かれ、星々は踊り、命が芽吹きました。
私たち人間もまた、宇宙の響きのかけらです。
その魂は「音霊(おとだま)」と深くつながっており、
本来、私たちは“音そのもの”として、この地上に生まれてきました。
音霊とは何か
「音霊(おとだま)」という言葉には、単なる音の響きを超えた、
エネルギー・情報・意識・周波数が含まれています。
一音が放たれるとき、そこには言霊では語れない“魂の振動”が宿ります。
音霊は、言語を超えて、魂に直接働きかけ、
時間や空間、理屈や常識を超越して、記憶とエネルギーの層に触れてくるのです。
とりわけ、カリンバやハンドパン、タングドラムのような“手で直接触れ、響かせる楽器”は、
私たちの肉体と魂をつなぐ媒体として、とても優れた「音霊の道具」です。
魂と響きは一致する
あなたが心から癒された瞬間を思い出してください。
それは、誰かの優しい声だったかもしれません。
あるいは、風の音、森のさざめき、鳥の囁きだったかもしれません。
それは、外の音ではなく、「あなたの内側の魂が共鳴した音」だったのです。
魂は、常に本来の音律(コード)を求めて、響く対象を探しています。
調律の狂った楽器が演奏できないように、
私たちの魂も、日常の喧騒やストレス、悲しみや怒りによって、
その本来の周波数を忘れてしまうことがあります。
そんなときこそ、音霊によって魂を再び調律し直すことが必要なのです。
音霊とチャクラの共鳴
私は、チャクラカリンバ®という特別なカリンバを創り、
各チャクラに対応した周波数で一音一音を調律するという試みを続けてきました。
例えば:
第1チャクラ(グラウンディング)には、安定と大地の周波数を。
第4チャクラ(ハート)には、愛と赦しの響きを。
第7チャクラ(クラウン)には、天から降り注ぐ光の振動を。
このように、チャクラはそれぞれ特定の音・色・波動とつながっており、
音霊によってチャクラを目覚めさせることで、魂の目覚めが起こるのです。
音がもたらす変容のチカラ
音は、一瞬で心を解きほぐします。
そして、深い層に眠る記憶や感情を浮かび上がらせ、解放し、癒すことができます。
時に、涙が自然に流れることもあるでしょう。
それは、あなたの内に閉じ込められていた響きが、
ようやく“自由”になれた証です。
音霊のチカラとは、「思い出す力」でもあります。
私たちは本来、魂の楽器であり、宇宙の旋律を奏でる存在であるということを。
奏でることは祈ること
演奏とは、技術や知識の披露ではなく、
魂から魂へ音を手渡す“祈りの行為”であると、私は感じています。
一音を響かせるとき、その音には「あなたの波動」が含まれます。
だからこそ、どんなにシンプルな旋律でも、
“心から奏でられた音”は、聴く人の魂を震わせるのです。
あべ乃奏縁としての願い
私は長年、音を通して人と向き合い、楽器を創り、演奏をし、セラピストを育ててきました。
その中で確信したのは、音こそが、人を変える最も優しく強い力であるということです。
この小冊子は、その想いの結晶です。
あなたが自分自身の“響き”を思い出し、
魂を調律し直し、光に向かって歩み出す一助となればと願っています。
音は「手段」ではありません。
音は、魂そのものです。
最後に 〜あなたへの音霊の贈り物〜
耳を澄ませてください。
森のささやき、風の声、水のゆらぎ、そしてあなたの鼓動。
すべてが、あなたを調律する「音霊」なのです。
どうかこの音霊の書が、あなたにとって
魂の本質に還る“音の扉”となりますように。
そして、いつの日か、あなた自身の音霊が、
誰かの魂を癒す光となることを、心から祈っています。
あべ乃奏縁 拝